わたし の 美しい 庭。 わたしの美しい庭(凪良ゆう) : ポプラ社

『わたしの美しい庭』(凪良ゆう)の感想(75レビュー)

わたし の 美しい 庭

作品紹介・あらすじ マンションの屋上庭園の奥にある「縁切り神社」。 そこを訪れる<生きづらさ>を抱えた人たちと、「わたし」の物語。 『流浪の月』の凪良ゆうが贈る、救いに満ちた感動作! <内容紹介> 小学生の百音と統理はふたり暮らし。 朝になると同じマンションに住む路有が遊びにきて、三人でご飯を食べる。 百音と統理は血がつながっていない。 三人が住むマンションの屋上。 そこには小さな神社があり、統理が管理をしている。 地元の人からは『屋上神社』とか『縁切りさん』と気安く呼ばれていて、断ち物の神さまが祀られている。 著作に『神様のビオトープ』『すみれ荘ファミリア』『流浪の月』など。 「根本的な解決にはなっていないけれど、生きていく中でなにかが根っこから解決するなんてこと滅多にない。 しんどい。 つらい。 それでも明日も仕事に行かなくてはいけない。 だからとりあえず明日がんばるための小さな愉しみを拾い集めていくことが優先される」本文より。 「流浪の月」に続き、凪良さん2作目。 心を射抜かれた。 巷には情報が溢れ、ハウツーや専門家による単純化された答えが用意され、随分と困難がなく生きられるはず。 でもちっとも解決なんかしない。 私が悪いの? どうすればいいの? どうしてこんな目に? いつも自分を責め続け、追い詰める癖がある私は、登場人物たちに自分を重ね、何か重い荷を少し解くことができた気がする。 「考えすぎず、突き詰め過ぎず、沈まない程度の浮き輪につかまって、どこともしれない場所へと流されていく」 そうだ、物事を根っから解決してすっきりなんて、絵空事だ。 日々心の奥底に閉じ込めた寂しさ、やるせなさ、諦め、怒り等々、何かの拍子にぐっと飛び出しそうになるのを抑えながら、私もこの年まで日常を続けてきた。 鍵をかけているつもりで、いい人やいい母親を装って生きてきたけれど、心にはどろどろとしたマグマが燻り、本当は実家の母や妹への怒りでいっぱい。 夫にも振り回され続けた。 私には幼い頃から、私を守ってくれる居場所なんてなかったんだ。 そう、「なにがあってもここに逃げ込めば守ってもらえるんだ、ここはわたしの場所なんだと思えた(本文より)」そんな場所が心の底から欲しかったんだ。 周囲の期待に応えようとし続け、社会の評価や規範に頼る日々は辛かったんだな。 誰かの役に立たなくても、期待に応えなくても、生産的でなくても、そこに居ていいんだよという安心感を得る環境が全くなかった自分。 そんな状態の自分を無価値と責めてしまうのは、たまたま不十分で不適切な環境だったからで、生い立ちでの大事にされた、愛された記憶の存在は大事なのだなと感じた。 でも大丈夫。 そんな記憶や経験がなくても、私は可哀想な人でもいい。 「誰かに証す(あかす)必要なんてなく、わたしはわたしを生きていけばいい。 」(本文より) そんな自分を受け入れて、私は私の人生の選択をしていくのだ。 辛くなったら、また夜頁を開き、マンションの住人達と一緒の空気を吸うことで、明日を少し元気に迎えられそうな1冊。 いつも手元に。 家の中に籠もってる日々なので、ついつい小説に手を伸ばしてしまう。 中でも、好きだったのは鬱病の弟くんのお話。 お薬の量が減ってくることの期待と、元の在るべき生活に戻っていくことの不安の中で、調子が上がったり下がったりする様子を読みながら。 在るべき生活って何なんだろうなと思う。 この作品では、親子関係やトランスジェンダー、未婚女性のことが取り上げられている。 ともすれば「在るべき生活」を押し付けられてしまいそうな人達が、戦うでもなく諦めるでもなく、縁切り神社にうまく切ってもらいながら、お話が進んでいくのを読んでいて、あぁ……それでいいよなーと思った。 全部を抱え込んで、咀嚼して、飲み下すなんて律儀なことをしなくていい。 自分で切ることが出来なければ、こんな風に神様に切り離してもらったっていい。 そう思うだけで、楽になることもある。 最後まで読んで良かったと思う作品でした。 マンションの屋上庭園にある「縁切り神社」の宮司で翻訳家の統理と一緒に住む血の繋がらない小学生の百音、隣人でゲイの路有、40歳独身の桃子、うつで闘病中の基くん。 みんなそれぞれの悩みと生きづらさを抱えている。 「普通」「当たり前」そんな言葉に私たち自身がどれ程しばられていることか。 その言葉を盾に「思いやりの心」で人をも導き縛ろうとするマジョリテー。 数にものを言わせ振りかざされた正義。 こわいです。 思いやりって何? 自分がされて嫌なことを人にもしないこと。 確かにそう教えられてきた。 けれどそこには同じ価値観しか認めない怖さを含んでいる。 マジョリティもマイノリティもない個々の価値観を認め、人との関係がもっともっと自由でありたい。 登場人物みんなが自分らしく生きるため、大切な人たちとの繋がりを築くために、葛藤し頑張っている姿に共感しながら、全てを肯定されているような優しい気持ちになる読後感でした。

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『わたしの美しい庭』(凪良ゆう)の感想(75レビュー)

わたし の 美しい 庭

『わたしの美しい庭』ポプラ社 凪良ゆう/著 10歳の百音(もね)と、百音の育ての父の統理。 ふたりが住むマンションの隣の部屋に住む親友の路有(ろう)。 三人が暮らすマンションの屋上には庭園があり、悪縁を断ち切ると言われている神さまが祀られている。 一角には花々がうつくしく咲き誇る庭があって、晴れた日には、そこでお茶をすることもある。 通称、縁切りマンション。 宮司である統理が浄め、守るこの場所は、みなが暮らす大切な場所でもある。 三人で朝食をとるのは、いつもの朝の風景だ。 朝食をつくるのは、移動式バーでの仕事を終えた路有の役目。 おにぎりとオムレツ、トマトサラダと具だくさんのみそしる。 そして、一片のバタートースト。 これから一日がはじまる人と、眠りにつく人の時間が交差する、かけがえのない時間。 三人に血のつながりはないけれど、もっと揺るぎないものでつながった、三人のいつもの朝。 百音は、かつての統理の奥さんが再婚し、その相手との間にできた子どもだ。 しかし、百音が五歳のとき、両親は交通事故に遭ってしまい、天涯孤独になった。 このままだと養護施設行きだった百音を引き取ったのが、統理だった。 もちろん、百音と統理に血のつながりはない。 そのことをとやかく言う人もいたし、虐待を心配する人もいた。 けれど、ちいさな百音と若き日の統理は、これから「家族」になろうと約束したのだ。 ふたりにしか築けない形の家族を作っていこうと、指切りをしたのだ。 路有と統理が出会ったのは高校生のとき。 路有は女性に興味を持てない自分に気づき、人知れず悩んでいた。 違和感と焦燥感。 友人にも、家族にも打ち明けられなかった。 けれど、ある日の友人たちとの猥談に一瞬、言葉がつまってしまった。 友人が軽く放った「ホモかよ」の一言も受け流せず、部屋まで飛び出した。 今まで隠してきたものが、一瞬にして暴かれた瞬間だった。 友人たちは、路有から離れていった。 けれど、統理だけは今までと変わらず友だちでいてくれた。 さらに、それから数年経ったころ。 共に生きていくはずだった同性の恋人が女性と結婚することになったとき、心身ともに、ぺしゃんこになった路有を助け、世話をしたのは「家族」になった統理と、ちいさな百音だった。 桃子は、幼いころから縁切りマンションに家族と暮らしていて、40歳を目前にしている。 お局になってしまった職場で若い職員に、煙たがられているのは知っている。 でも、かつては先輩たちがしてくれていた役割が、今では自分に回ってきただけなのだ。 ストレス解消は、宝くじを買って壮大な妄想するというささやかなものだけれど、こんな人生に満足してもいる。 でも、本当はこころの片隅に棲みついて剥がれない記憶がある。 かつて同じマンションに暮らしていた高校時代の恋人のこと。 彼と過ごした夢のような時間。 けれど、彼に触れることは、もうできない。 彼は、花火を見に行こうと約束していた夜に、交通事故で亡くなってしまった。 基(もとい)は桃子が忘れられずにいるかつての恋人の弟で、東京での過酷な勤務から、うつ病を患い地元に帰ってきている。 なかなか回復しない病状に焦る日々。 そんなとき、治療のために訪れた病院で働く桃子と、数年ぶりに再会した。 互いに、その存在を覚えていたが、深く言葉を交わすことはなかった。 しかし、久しぶりに訪れた兄のお墓で、二人はまた、ばったり出くわした。 桃子と兄と、幼き日の自分の思い出。 昔は知りえなかった桃子の魅力。 よみがえり、あらたに沸き起こる気持ち。 バリバリと働き、恋人だって残してきた街がある。 けれど、焦る気持ちとは裏腹に、こころと体は別々の方向を向き、明るい方向へ歩き出すことができない。 そもそも、元の自分、に本当に戻りたいのかどうかも分からなくなっている。 今も縁切りマンションに暮らす人。 かつて縁切りマンションに住んでいた人。 各章の主人公たちは交差し、ゆるやかにつながっている。 みんなの傷が、痛い。 みんなの心が痛むように、私のこころまでもが痛い。 でも、傷ついたその姿から目を背けることができない。 やさしく抱きしめてあげたいとすら思う。 私は、私自身の傷こそ、抱きしめてあげたいのだと、ふと気づく。 誰の身にも、悲しいことやつらいことなんて起きなければいい。 でも、時には容赦なく、避けられるような猶予も与えず、降りかかってくる。 今まで私は、そんなことが降りかかってくるなんて、本当に不幸なことなのだと思っていた。 不幸で惨めで、早くこの暗い場所から抜け出せるよう、震えるような心持ちで奇跡が起こるのを願っていた。 でも、気づいたのだ。 もう手放せなくなってしまった何かを大切に抱え、傷ついてないよって笑ってみたり、零れた涙すらぬぐえなかったりする、不器用な人たちのことが、だいすきだと。 だから、私も。 矛盾も葛藤も迷いも抱えたまま、生きていく。 傷ついたこころは、このままでいい。 こんな私でも、目を見開き、背筋を伸ばすことはできる。 未来の方向に、希望の光を見出すことだってできる。 いとしき人たちは、きっとこんな風に生きているから。 わたしも。

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わたしの美しい庭 / 凪良 ゆう【著】

わたし の 美しい 庭

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